2021/06/11 15:53


近頃、街を歩いていても、テレビやインターネットなどでも、「サステイナブルなライフスタイル」について耳にする機会がよくあるかと思います。

それが意味するのは、人や社会、環境に負担を掛けないよう、それらに配慮しながらより良い未来に繋がるよう生活するということ。

こんな風に言うと、何だか難しいし今まで自分が大好きで楽しんでやっていたことを諦めなくてはならないの?と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、実際そんなことは一切ないんです。
サステイナブルに生きるとは、もっと分かりやすく言うと、普段からより良い選択をするよう心掛けるということ。

それが大きな選択であろうと小さな選択であろうと全く問題ありません。日常生活での自分の選択一つ一つが環境や気候の変化、この地球に暮らすすべての生き物に影響を与えているということを常日頃から意識する必要があるということなんです。

では、実際にどんな選択や生活スタイルがサステイナブルなのか。
時間を費やしたり努力したりする必要がなく、今からでもすぐ簡単にできるシンプルなアイデアを5つほど例に挙げてみました。


1. GO プラスチックフリー

ここオーストラリアに暮らす人々1人当たりが1年間に使うプラスチックの量は平均して130kg、その内たった12%がリサイクルされるだけで、大半の130,000トンものプラスチックは水路に入り込み、最終的には海へ流れ込んでいます。

ということは、プラスチックのコップやお持ち帰り用容器、ストローやカトラリー、ショッピングバッグといった使い捨て商品の使用を避けたり減らしたりすることができれば海洋汚染は格段に減ることになります。

これら使い捨てプラスチック製品は通常、数10分使われるだけですが、環境への悪影響は何千年と続き、野生動物やその生息地にダメージを与える他、私たちの健康にも何らかの影響を及ぼす可能性があるのです。

ショッピングする際、またカフェやレストランで食事する際は、使い捨てプラスチックの使用を避け、何度も使えるMyアイテムを持ち運ぶようにするといいですね!


2. 食品廃棄・生ごみを減らす

オーストラリアの一般家庭で出るごみの35%は廃棄された食品(生ごみ)で、年間3,800ドル(約30万円)分の食料が無駄にされています。

国全体で見てみると、年間500万トンの食料がごみとして捨てられていて、これはまさにオリンピック用の競泳プール9,000個分に相当します。
満足な食事にありつけない人たちが世界中に8億人いることを考えると、とてつもない量の食べ物が捨てられていますよね...。

オーストラリアではごみ処理は埋め立て処分が基本です。
埋め立て地へ運び込まれた生ごみは、温室効果ガス(メタンガス)を放出し、地球温暖化を加速させます。

そのため、世界中から食品廃棄物をなくすと、二酸化炭素の排出が毎年440万トンも削減されると言われています。
それはまさに車4台につき1台を世界中の道路から排除した際に削減される排出量に相当するのです。

そこで、食べ物の無駄をできる限りなくすために

・食料品は計画的に購入し衝動買いをしない
・食べる以上の料理を盛り付けない
・腐敗を防ぐために正しく保存する
・冷蔵庫内をきれいに整理し、何がどこに保存されているのか、いつ購入したのかがいつでも簡単に確認できるようにする

これらを実践することが重要です。
 

3. 紙の使用を減らす

世界中の紙の使用量は過去40年において400%上昇しました。

オーストラリアにおけるその使用量は国民1人当たり年間223kg。

The World Count statisticsによると、アメリカ、日本、ヨーロッパでは1人平均250から300㎏もの紙を使っているという結果が出ました。

紙製造の約90%が木材を原料に行われていることを考えると、紙の使用を減らすことは森林伐採を食い止め、木を守ることに繋がるのです。

そのために私たちができること、

・ 請求書や公共料金の明細書はウェブ明細に切り替える、もしくは電話サービスを利用し、紙印刷物をさける
・ 自宅ポストに「チラシお断り」を表記する
・ プリントアウトする前にもう一度その必要性を考える 
・ パソコンや携帯のノート機能を使ってメモ書きする
・ 雑誌や新聞を買うのではなく、ウェブの定期購読サービスを利用する


4. 節電する

世界中がエネルギー資源に大きく依存しています。
その膨大な需要に応えるために、エネルギーの約8割は石炭や天然ガスといった化石燃料を燃やすことで得られています。コストを抑えながら効率よく電気を作り出す方法です。

しかし、このような発電方法は温室効果ガスを排出してしまい地球温暖化を加速させるほか、大気汚染につながるという問題が生じます。
それと同時に、化石燃料には限りがある為、いつかは尽きてしまうというのも事実です。

そこで、エネルギーの使用を出来る限り減らすことが大事です。例えば、

・ 電化製品を使用していない時は待機電力の消費を抑えるため、コンセントから抜く。
夜には携帯電話の電源をWiFiルーターも含めて切るようにする。そうすることで年間20%もの電気代を節約することができます。
・白熱電球の使用をやめて、消費電力の少ないLED照明に切り替える。
LED照明は白熱電球より25%寿命が長く、電気の使用量が75%も抑えられます。また、LEDには水銀が使われていません。
・寒いときは服を重ね着し、暑いときは窓を開けて風通しを良くするなど、ヒーターやクーラーの使用を避ける。


5. 家庭菜園で有機栽培する

フルーツや野菜、ハーブなど自分が食べるものを自ら育てることはサステイナブルな生活を実現する上で最もやりがいがあり、満足のいく手段のひとつだと言えます。

庭や窓際のプランターに種を撒くだけ。

そうすることで美味しくて健康的、安価な採れたて食材が得られる上、土壌を汚染する化学肥料を使用していない分、環境にも体にもやさしい食べ物を手に入れることができます。


私たち一人一人には、大きな変化を作り出す力があります。
つまり、自分たちのより良い選択一つ一つが集まれば、世界中の誰もが心地よく住みやすい世の中に、そしてより明るい未来を導くことができるのです。
すべては日々の選択から…。

これらのアイデアが少しでもみなさんの理想的なエコライフを実現する手助けになれたらとても嬉しく思います。