プラスチックと私たち

みなさんはお子さんにどんな食器やカトラリー、お弁当箱を使っていますか?

安価で軽い上、利便性が高いということから、それらはプラスチックでできていますか?

カラフルでかわいいデザインに子供たちは魅了され、お気に入りを選ぶのも楽しいプラスチック製品…。

ではいったいプラスチックとは何なのでしょうか。そして実際何からできていているのでしょうか?


一般的にプラスチックと呼ばれているものは、実は何千種類もあります。
それは、プラスチックが単なる1つの物質から毎回同じように作られている訳ではなく、さまざまな物質が化学結合し、さらにそれが混合されて新しい特性を持ったものが開発され続けているからです。
プラスチックは、化学と科学技術の革新が可能にした産物と言えるのではないでしょうか。

何千種ある中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、PET樹脂など、工業的に作られている代表的なプラスチックはおよそ100種類、その内、製品の梱包に使われるプチプチや発泡スチレン、食料品の容器や飲料用のペットボトルなど、容器包装に使われるプラスチックは30種類程度と言われています。

しかしこれらに共通して言えるのは、すべてが石油由来の炭素と水素からできており、加熱したり圧力を加えたりすることで変形、そこに大量の添加剤を混ぜ込んで強度や安定性、機能をプラスしているということです。

つまり、プラスチックは石油と添加物から人工的に作られた化学的合成物なのです。



今や私たちはプラスチック依存症と言っても過言ではない生活を送っています。

生まれて間もない赤ちゃんにプラスチック製の哺乳瓶でミルクをあげ、プラスチックのおもちゃで泣く子をあやし、赤ちゃんはそれを口に入れる。
そして離乳食が始まればプラスチック製の食器とスプーンで食べ物が与えられる…。

石油の塊でできたその合成品に含まれる添加剤は、熱が加わることで少しずつ食べ物の中に溶け出すと言われています。プラスチックの容器に入れられた食べ物が電子レンジで温められれば、その可能性はもちろん高くなるでしょう。

いくら健康に気を遣ってオーガニックの野菜や果物を買っていても、加工食品や缶詰製品を避けていても、食器や容器が有害な化学物質を含んでいれば、自分の大切な家族に汚染された食べ物を提供していることになるのです。

では、環境への影響はどうなのでしょうか?

プラスチックの大量生産が始まった1950年代から今日までに作られたプラスチック製品の総量は83億トン。

そのうち、63億トンがゴミとして廃棄。

わずか9%だけがリサイクル。

12%は焼却処分。

そして、79%は埋め立て処分、もしくは自然環境に投棄されています。

これら埋め立て地や自然環境に捨てられたプラスチックごみは風や雨によって排水網や川に運び込まれ、最終的には海へ流れ込みます。

その後、紫外線や波による浸食の影響で劣化が加速し、マイクロプラスチックと呼ばれる直径5ミリ以下の小さな粒子に分解されるものの決して無くなることはなく、何世紀にも渡って海を彷徨い続けるのです。

現在、海洋生物やその生態系が、私たちが作り出したごみによって、またそれをきちんと管理できていない現実によって大きな影響を受けています。

プラスチックへの依存量を劇的に変化させなければ、2050年までに海のプラスチックごみの量が魚の量を超えると言われており、環境や生態系への被害は更に拡大して行くのです。

使用量が増えれば、当然捨てる量も増えます。 環境への影響を少なくするために、まずは使い捨てになるプラスチックを使わないように心掛けてみてください。

決して簡単なことではありませんが、できることから少しずつで構いません。新しいプラスチック製品はもう買わないように。

家にあるプラスチック製品はゴミにならないよう大事に扱い、子供の口や食べ物に触れないよう賢く使う。

一見、自分だけの小さな試みなど大した影響がないように思われるかもしれません。
しかしあなたが始めた小さな試みが、周りにいる誰か一人でも刺激できれば、プラスチックフリーの輪を次第に大きく広げていくことが出来るのです。